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新しいお店のこと。



「新店の準備は進んでいますか?」

毎日たくさんのお問い合わせをいただくようになった。

想像以上に多くの方が
新店誕生に興味を持ってくださること、
心から嬉しく、おおいに励まされている。

そこで今日は
過去に遡り
工事の様子をダイジェストでご紹介。


少しずつ
本当に少しずつですが
徐々に動き出している新店の鼓動を
ライブに感じていただけますように。



2010.01.07(thu)

解体工事スタート。
あらゆる天井、そして壁が潔く壊されていく。




無骨な角材、黒ずんだビス、古い電線、柱に書かれた手書き文字。
昔の大工さんたちの手仕事があちらこちらで露に。





うん、この方が断然かっこいい。

造作で隠さず、このまま見せてしまいましょう。






大工さんたちがテキパキと仕事する傍ら、
店主はせっせと野良仕事。




この家には小さな裏庭があり、
それは2階の広いベランダへと通じていた。

「ここに植物を植えてお茶を飲んだら最高に気持ちいいはず」

そう思うとショベルを持つ手に俄然力が入る。



木を切り、草を抜き、瓦礫を取り除き…。




巨大な切り株をすべて掘り起こした頃、
鉄のショベルは前後左右に折れ曲がり、
手首も足腰も動かなくなる程疲労困憊。

「もうお箸もペンも持てません(泣笑)」






2010.01.08(fri)

「この壁はどうします?」

大工さんに聞かれるたびにいちいち考え込む店主。

「迷ってるなら壊しましょう。ぜんぶ取っ払ったら名案が浮かびますよ!」

さすがカリスマ大工、Sさん。

関西全域で活躍する彼は、
いつもあちこちの物件に引っ張りだこ。

心強い言葉に、頷くやいなや…



すごいところに足場をつくり、




あっというまにご覧のとおり。

1階にいながら
2階の様子を伺うことができるようになった。






とはいえ何もかも壊してしまうのではなく、
以前の内装で使える部分はしっかり活用。

まったく無駄ありません。
さすが、カリスマ。





2010.01.10(wed)

いよいよ内装工事がスタート。

裏庭に面する古い木枠の窓は気に入っていたけれど
内装イメージを考慮して、思いきって塞ぐことに。





ちなみに内装のイメージは
「不思議の国のアリスが、兎穴に落ちた後に辿り着く家」。

兎を追って巣穴に飛び込んだアリスが、
「drink me」「eat me」と書かれた飲み物やケーキを口にして
小人化したり巨人化したり、
はたまた自分の涙の池で溺れそうになったりする、
摩訶不思議でナンセンスな家である。

「?」という表情の大工さん。
当然だ。

「下級貴族が暮らした廃屋」と言ってみる。

「…なんとなくわかりました」。

「ほんと? 合言葉は、アンチ・ナチュラル、ナンセンス・ラビリンス」。

「なんとなく…」。

近年、インテリア誌の表紙に「ナチュラル」という文字が踊るたびに、
正直うんざりしていたのは、果たして店主だけだろうか。

ページをめくるたびに登場する、
どこかで見たような
お決まりの白い空間。

何もかも白く塗りさえすればいい、
そんな安易な感覚のもと、
長い時間をかけて飴色に風合いを増した木が
水性・ツヤ無しペンキで白く塗られるのを目にするたびに
なんだか心が痛くなっていた。

快適の基準は人それぞれだから、
否定するつもりは毛頭ないけれど、
これが「ナチュラル」というのなら
私はきっと反ナチュラル派なのだろう。

わかりやすく「アンチ・ナチュラル」という言葉を使ったけど
でも本当はそれも違う。

生活空間には、
明るい場所も暗い場所も必ず存在するはずで
それらの特性を無理なく活かしきったうえで
できる陰影や深みを楽しみたいと思うのだ。
それが本当のナチュラルスタイルだと
店主なんぞは考えているのだけど、
…。

しごく個人的な空間論を述べると
無駄に長くなるので
それはまた別の機会に。





2010.01.24(sun)

下地工事完了後は、すべて自分たちの手で。
パートナーも休日返上で参戦。




2010.01.28(thu)

左官屋さん登場。
プロの技に溜息が漏れる。

素敵な仕事だなぁと
横目でちらちら。







工事に入った途端、
この家の時空は急変したように思う。

修理に出さなきゃと思っていた古時計が
いきなり異常な速度で時を刻み始めた。

20分に一度の割合でボンボンと時を知らせる。
壊れて動かなかったはずなのに。

のんびり流れていた時間が
猛スピードで刻みこまれていく。

時間が、ない。




フランスから届いたキャビネットには、
白とブルーのラブリーな塗装が施されていた。

それを剥がすべく格闘をはじめて2日目。

剥離材の悪臭と電動サンダーの騒音、手荒れに苦しみながら
黙々と作業を続けてくれた大学生のAくん。

中学時代からKicaに遊びにきてくれるようになった彼は、
作業の途中で東京での生活をいろいろと話してくれた。

未来に溢れた未知の話、
iPhoneから流れるイマドキの音楽、
彼のご機嫌な鼻歌に
何度も励まされていた。

感謝!



2010.01.29(fri)

正面の壁が完成。

白っぽいモルタルの壁。
このままでも素敵なのだけど
前述したイメージに近づけるべく
塗る色を熟考する。

Aくんと二人、
この日も悪戦苦闘を続行。

「なんで僕、ここにいるんだろう。なんだか不思議ですね」。

「そうだね(笑)!」







2001.01.30(sat)

ベルギーから
念願のドアが到着。



長い時代を生き抜いたドアは
とても厚くて重く、おまけに
原型をとどめないほど朽ち果てていたため、
その取付けには大工さんも相当苦労された模様。

さぁ、ここからが私の出番。
乾ききった木に潤いを与え、
傷んだ部分を補修しながら
この場に最適な色を加えていく。

「生き返れ、生き返れ!」
何度も何度も念じながら作業する。

いつものことだ。


折しも今年一番の極寒日。
雪が舞うなか、
丁寧に丁寧に。
作業はどこまでも続く…。



ドアアップ


もちろん。




元々ついていたドアも
きちんと活用。

さてどこに?





すばり、ガラス張りトイレ完成。

出入口よりドアの方が大きくて
ちょっぴりヘンテコではありますが、
ナンセンス空間だからこれもありき。


トイレ


花柄クロスにピンクの木枠、
ラブリーだったトイレは渋めに変身。

アクロバットな体勢を余儀なくされる狭い空間で、
新スタッフのKちゃんが悪戦苦闘してくれた。

便座に乗って作業していた店主、
バランスを崩して派手に落下。
カラダの痛みよりも真っ先に
「ペンキ塗りたての壁は無事?!」



ケビント


仕事帰りに現場に立ち寄り、
遅くまで家具の配置につきあってくれた
スタッフSちゃん。

解体、組立を繰り返し、
ようやく居場所を見つけた巨大キャビネット、
でもどうにも落ち着かない…。

「そうだ、塗装しよう!」

「え〜!! また解体からやりなおしですか!?」







Kicaの仕事と平行して進めている工事だから
遅々として進まない。

でも、古い家や家具と向き合い
黙々と作業する日々は
なによりも楽しい。




2010.02.10(wed)

電気工事完了。

新店のために用意した
アンティークのシャンデリアたちが灯る瞬間、
思わず拍手。


中からドア

アーチ




ドアのガラス越しに見える灯りも
誇らしげに輝いてみえる。





2010.02.19(fri)

フランスから大きなミラーが到着。
あしらわれたステンドグラスがいちばんきれいに見える場所を探す。





2010.02.20(sat)

白すぎる2階の部屋。
かわりばんこに来てくれた
元スタッフのRと息子のKくん、
苦楽園の商店仲間Sちゃん、
そしてパートナーが大奮闘。




2F


黒のスパイスをピリリと効かせた、
明るい部屋に生まれ変わった。


2010.02.24(wed)

今朝、買付けから戻った足で
現場へ直行。

もうずっと
息つく暇もないほど忙しい。

寝ても覚めても準備一色。


バラからドア

2010.02.25(thu)

近くの園芸店で買い占めたモッコウバラもすべて植え終わり、
あとはテラスのグリーン計画をあれこれ模索。
いつか
白いバラのトンネルで訪れる人を迎えたい。

新店準備を進める中、
今まで想像もしなかった素晴らしい出逢いが、
どんどんどんどん
広がっていることに驚いている。

新しい出逢いが、
また新しい出逢いを生んで、
どんどんどんどん
私に力をくれている。




あと少し。

あと少し。




⑴の部屋


オープンの詳細はまた後日。




| Posted by kica2001 | life | comments(2) | trackbacks(0) |




ARMITAGE (2010/02/26 6:03 PM)
素晴らしい合い言葉ですね!
ものすごく共感です。

新しいお店、本当に楽しみです☆



emiri (2010/02/26 8:09 PM)
とても素敵です。
娘も喜びまして、「すてき〜、行ってみよう」といって、一緒に写真を見ていました。

ベルギーのドアの修復に感動しました。

今日は沢山お話できて嬉かったです。

新しいお店、楽しみにしています。家族で伺います。










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