<< 新しいお店のこと。 | main | L'objet qui Pépie 2010.03.19 débuts >>
命名。


「Kica」は
その名の由来をよく聞かれる。

実は「奇貨」という日本語であること、
ご存知ない方はとても多い。

意味は
「とっておくと、とてつもない価値を生む珍しい財物」。

また、
「海外からやってきた物たちが、
ここ日本の地に馴染んで自生・繁殖していく」、
そんな「帰化」も、同時に意図している。


10年前。
わずか2文字の店名に
想いや願いをすべて込め、
私は新しい世界へ踏み出した。

以来、この名を口にしない日はないけれど、
飽きるどころか、むしろ日々愛着は深くなる。


2文字の店名は
当時は珍しく、
短いがゆえ覚えやすく、
比較的容易に世間に浸透したと思う。

老若男女問わず、多くの方が「キカ」という名前を口にしてくださる。

きっといい名前なのだろう。



姉妹店をつくるにあたり、
まっさきに頭をよぎった事柄のひとつが、
店名だった。

出した候補は、猶に200超。

Kicaの時もそうであったように
たくさんの方にアドバイスと協力をいただき、
とった投票結果をもとに
ようやく新店の名前は決定した。

いや。
正確に言うと
『とった投票結果をよそに
 店主の独断と偏見で新店の名前を決定した』。

そういえば。
Kicaの時もさんざん言われた。
「投票、関係ないですやん!」

もし。
投票結果のみをもとに
好感度No.1のショップ名を採用していたら
「Kica」は存在していなかった。

きっと。
時には独断と偏見も不可欠なのだ。
そう思う今日このごろ。


で。
新店の名前。










古いものには、たくさんの物語が詰まっている。

錆びたり、変色したり、擦り切れたり。
生まれたての美しさは失われてしまったけれど、
年を経たものだけに宿る別の美しさを
我知らずと身に纏い、
静かにそこに佇むだけで、
圧倒的な存在感を放つ。

店員があれこれアピールしなくても、
武骨に寡黙に、
だけど
雄弁に鮮烈に、
自身の生い立ちや歴史を物語る。

そんなものを集め、大切に受け継ぐ場所。
言葉を持たない、けれど理由もなく感応させられる、
ものとの対話を愉しむ場所。


L'objet qui Pépie
ロブジェ キ ペピ


「さえずるもの」という意味のフランス語には、
今回もたくさんの想いや願いを詰め込んだ。







「長すぎる」
「覚えられない」
「舌を噛む」

新しい名前、
周囲の評判は、
わりとよくない(笑)。


その都度、こう返している。

「たったの7文字、人の名ならすぐ覚えられる範囲です」
「まず声に出して言ってみて」
「何度も言えば噛まなくなります」

ほら
ロブジェ キ ペピ、
ロブジェ キ ペピ、
ロブジェ キ ペピ、

さぁご一緒に!
ロブジェ キ ペピ、
ロブジェ キ ペピ、
ロブジェ キ ペピ、


ただいまKicaでは、
店主とスタッフが
新しい名前を連呼しあい、
呪文のように唱えつづける、
そんな不思議な光景がみられます。









時代も
国も
誰かの評価も飛び越えて
それでも魅了するものと
あなたとの
これから始まる物語。

その扉を開く、おまじない。

ロブジェ キ ペピ。


古い物語を受け継ぎながら
新しい物語をたくさん生みだす、
そんな場所になりますように。



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