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2011.06.06 Monday
6月6日のおまじない
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Kicaが誕生してから ずっと 6月6日になると 欠かさず 実行していることがある。  「毎年6月6日にね。 お店の中心に赤いアジサイを吊るすんです。 そうするとその一年を順風満帆に過ごせるんですよ。 古い古い言い伝え、特別に教えてあげるよ」 10年前のオープン直後、 ひとりでふらりとやってきた紳士が 珈琲を飲みながら そっと教えてくれたこと。 以来、 「赤アジサイのおまじない」は Kicaの年中行事となった。 さて。 本日は、その6月6日。 「一年間、本当にありがとう」 務めを終えたアジサイにお礼を言い、 瑞々しい深紅のアジサイを いつもの場所に吊るす。 「一年間、どうぞよろしく」  件の紳士は 10年前と変わらず 週末になるとやってきて 静かに珈琲を飲んでいく。 特に親しく言葉を交わすでもない。 愛想も愛嬌もないこの店に と 少し不思議に思っていたら。 「この曲を聴くとね、貴方を思い出すんですよ」 ある日、彼はそう言って 某女性シンガーの歌を口ずさんだ。 それは 壁をたくさん乗り越えて 強く逞しく未来を生きようというメッセージソングで 未熟で生意気で ただがむしゃらだった オープン当初の自分を思い出し、 それを黙って見守りつづけてきてくれた紳士だからこその言葉に 思わず泣きそうになった。 きょうも あしたも あさっても。 私の居場所でもある レジカウンターの真上から 赤アジサイは静かに店を見守りつづける。 不安になると 私は決まってそれを見上げ、 同時に紳士の言葉を思い出し、 見守ってくれる存在を確認してから 「大丈夫、大丈夫」と 自分にそっと言い聞かせる。 6月6日のおまじない。
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そういう存在て心強いよね!
私も大切な存在に、励まされがんばってるよ(o^^o)
おまじない記念日おめでとう◎